【ブランディング構築のための具体的作業】
ブランディングの構築作業を行うにあたり不可欠なのは、CI(コーポレートアイデンティティ)、およびVI(ビジュアルアイデンティティ)の構築作業があります。
CIとは、実際にはかなり広い領域業務ですが、簡単に言うと、企業の社会的ポジションや企業理念、商品開発の指針、将来的に進むべき方向等をアイデンティティとして設定する作業です。
VIとは、設定されたCIに基づき、それらを視覚的にシンボライズする作業とその表現に対しルール(アイデンティティ)を設定する作業です。
これらの基点としてブランディングの構築作業を行っていきます。
ブランディング構築の目的とは、簡単に言うと「発信側(企業)の抱いている思惑(理念)をいかに効率的に、捉える側(ターゲット)に認知訴求させるか」ということです。
そのための作業として大きくは、「思惑作り」とその思惑を効率的に訴求させるための「インフラ整備」の2つの作業があげられます。
●「思惑作り」= CI(コーポレートアイデンティティ)/VI(ビジュアルアイデンティティ)の構築
●「インフラ整備」= 設定された思惑をシンボライズした各種ベーシックアプリケーションの制作(ロゴマーク/名刺/封筒/会社案内/ホームページ/サイト構築 等)
【補足】 VIに基づくインフラ整備(ベーシックアプリケーションデザイン)の重要性について
すべての指針となるのはCIですが、ファーストコンタクトで企業の理念や信頼性をターゲットに働きかけてもそこには距離があり、伝えることは難しいでしょう。
その場合、重要な働きをするのがVIに基づいてデザインされた各種表現物となります。
最初の接触で、その企業に対する情報がない場合、名刺等の表現物のデザインからイメージされる印象が、そのまま企業クオリティのイメージに直結することは必然であるといえます。
また、VIで設定された視覚的ルール(ロゴマーク/コーポレートカラー/キービジュアル/コピー表記等の取り決め)によって、一連の共通性をもたせたデザイン表現群は、個々の印象力ではなく、一つのまとまった印象力として、ターゲットに作用し、潜在的記憶として強固にインプットされる効果があります。
同時に認知速度の加速に大きな効果をもたらせます。
上記の構築作業は、企業にとって最も基本的なブランディングの表現であって、同時に最も重要な「スターターキット」として捉えてください。
しっかりしたスターターキットを完備していない企業は、その後の展開においてコスト的、労力的にロスが生じ、企業利益に過大なる損失をもたらせるといっても過言ではありません。
実際にブランディングの構築が成功したかどうかは、発信側(企業)ではなく、捉える側(ターゲット)が発信者の思惑通りに認知してくれたかどうかがポイントとなります。
発信者の思惑を効率的に認知訴求させるためには、しっかりと計画されたブランディングプランが不可欠であると言えます。
以上の内容から、企業ブランディングがしっかりとプランされている場合とそうでない場合とでは、セールスに大きく差が生じることをイメージしていただけたでしょうか?
ブランディング構築によって企業としてのスタンス、およびクオリティイメージをしっかりと発信→伝えることこそ、効率的に企業利益に繋がる最短ルートを創造すると言えるでしょう。
3/3章では、補足として、ありがちな「とりあえず対応のロス」についてお話しさせていただきます。